勉強しているのに大学に合格できない生徒の5つの特徴

「毎日きちんと勉強しているのに、模試の成績がなかなか上がらない」

「勉強時間は確保しているのに、志望校の判定が良くならない」

大学受験を目指している高校生の中には、このような悩みを抱えている人がたくさんいます。もちろん、大学受験において勉強時間は非常に重要です。しかし、ただ長時間勉強すれば大学に合格できるわけではありません。

合格するために必要な勉強をしているかという観点を忘れてはいけないのです。

大学受験では、どれだけ勉強したかだけでなく、何を勉強するのか、どの順番で進めていくのか、何のために勉強するかが非常に重要です。

今回は、大学受験を指導する中で特に注意してほしい、大学合格から遠ざかってしまう生徒に見られる5つの特徴について解説します。

目次

① 国公立大学を目指しているのに、特定の科目しか勉強していない

まず注意したいのが、一部の科目ばかり勉強してしまうケースです。

例えば、以下のような状態の生徒がいます。

英語が得意だから英語ばかり勉強する
・数学が苦手だから、とりあえず数学は後回しにする
・好きな日本史は毎日勉強するけれど、理科はほとんど勉強しない

これらは私大志望の生徒もそうですが、特に国公立大学を目指す場合は要注意です。

国公立大学の入試では、複数の科目をバランスよく準備する必要があります。そのため、1科目だけを集中的に勉強していても、それだけで合格に近づくとは限りません。

例えば、英語の偏差値が65まで上がったとしても、数学や国語など必要な科目の準備が遅れていれば、入試全体で考えると十分な状態とは言えません。

もちろん、得意科目を伸ばすことは大切です。

しかし、

「得意科目を伸ばすこと」と「苦手科目を放置すること」は同じではありません。

苦手科目だからこそ、早い段階から少しずつ取り組む必要があります。まだ受験まで時間があるから、数学は3年生になってからでいいとか、英語が得意だから、今は英語だけやっておけばいいという考え方は危険です。

受験直前になってから苦手科目を一からやり直そうとしても、十分な時間を確保できない可能性があります。

大切なのは、受験科目全体を見ながら、現在の自分に何が必要なのかを考えることです。

こういうと、今月は英語を何時間で数学を何時間と単純化して考える人もいますが、単に時間の話でもありません。

自分の得意・不得意、現在の学力、志望校の配点、受験までの残り時間などを考えた上で、時間や分量、難易度などをうまく配分する必要があります。

② 有名な参考書を揃えれば合格できると思っている

大学受験では、たくさんの参考書が販売されています。

書店に行けば、難関大学対策や偏差値○○からの逆転合格など魅力的なタイトルの参考書が数多くあります。

また近年ではYoutubeやSNSを参考にして、この参考書は絶対にやったほうがいいとか○○大学を目指すならこの問題集という情報を簡単に見つけることができます。

そのため、

「有名な参考書を揃えれば、大学に合格できる」

と考えてしまう生徒がいます。

しかし、これは大きな間違いです。参考書は、持っているだけでは学力を上げてくれません。

重要なのは、自分の現在の学力に合った教材を使い、その内容を身につけることです。

例えば、英単語が十分に覚えられていない状態で難関大学向けの英文解釈の問題集を始めても、文章を読むための土台が不足しています。生徒に聞くと、Youtubeで紹介されていたからこれを進めていると言ってきます。実際に進めていく中で、ところどころ質問するとその内容がよく分かっていないまま進めていることがあります。例えば形容詞句の解釈問題をしているのに、形容詞が何かわからないまま解いている生徒がいました。これではせっかくやっていても別の問題になると解けなくなるでしょう。

数学でも、基本的な公式や典型問題の解法が身についていない状態で難関大学の過去問ばかり解いても、十分な効果は期待できません。結局は解答を丸暗記に近い形で覚えて、なぜその解法を使えば良いのかを理解できていないまま進めていくことになります。

さらに危険なのが、参考書を次々と買い替えることです。少し問題が難しいと、「この参考書は自分には合わない」と考えて別の参考書を購入し、また難しいからと別の参考書を購入する生徒もいます。

こうして机の上にはたくさんの参考書が並んでいるのに、どの参考書も中途半端になってしまいます。

大学受験に必要なのは、参考書の冊数ではありません。

1冊の参考書を使って、問題を解ける状態、なぜその答えになるのか説明できる状態、時間を空けて解いてもできる状態を作り上げることが大事です。

参考書選びで迷ったときには、

この参考書が有名かどうかではなく、今の自分に必要な教材かという視点を持つようにしましょう。そして、必ず参考書を買う前にその参考書の「はじめに」の欄を見ていきましょう。著者がその参考書をどんな思いで書き、どんな生徒に使ってほしいか、またどんな使い方をしてほしいかが書いています。それらを確認した上で参考書に取り組むようにしましょう。

③ 目的と手段が合っていない

一生懸命勉強しているのに成績が伸びない場合、そもそも目的と手段が一致しているか確認する必要があります。

例えば、英文読解力を伸ばしたいという目的があるとします。

ところが、そのために毎日やっているのが文法問題だけだったらどうでしょうか。英文を読むためには、もちろん英文法の知識が必要です。しかし、文法問題を解くことと、長文を正確に読み取ることは同じではありません。特に4択などの文法問題集を使うと文法問題はできるようになっても英文を読む力にはつながっていきません。長文読解では、単語、文法、構文、英文解釈、文章全体の論理展開など、さまざまな力が必要になります。

つまり、

目的:英文を正確に読めるようになるに対して、手段:文法問題だけをひたすら解くでは、十分に目的を達成できない可能性があります。

また逆に文法問題に弱点があるのに文章をたくさん読んでいくというのも違います。その場合は文法問題に特化して解いていく必要があります。これは英語に限った話ではありません。

数学の記述力を上げたいのに、答えだけを確認して終わっていたり、現代文の読解力を上げたいのに解答を覚えるだけになっていたり、日本史の点数を上げたいのに、用語集や一問一答を眺めているだけになっていたりなど、そんな状態では勉強時間を増やしても効率が悪くなってしまいます。

重要なのはこの勉強によって、自分は何ができるようになるのか?を考えることです。

例えば英語なら、

英単語を覚える → 英文を読むための語彙を増やす → 長文中の知らない語彙を減らしてスムーズに読めるようにする
・英文法を学ぶ → 英文の構造を正確に理解する → 正しい解釈ができるようにする
・英文解釈を行う → 複雑な英文の構造を読み取る → 簡単な文構造を素早く把握し、難しい文解釈を可能にする
・長文読解を行う → 文章全体を理解する力を身につける → 長文問題の正答率向上につなげる

というように、それぞれの勉強には目的があります。

勉強を始める前に、何のためにこの問題を解いているのかを一度考えてみてください。これだけでも、勉強の質は大きく変わりますので意識してみましょう。

④ 基礎力がないのに、難しい問題に取り組んでいる

「大学受験だから、難しい問題を解かなければいけない」

このように考えている生徒も多くいます。確かに、最終的には志望大学の入試問題を解けるようになる必要があります。ただ、現在の学力と問題の難易度が合っていなければ、効率的な勉強にはなりません。

例えば、英単語を十分に覚えていない状態で難関大学の長文問題を解いたとします。分からない単語が大量に出てきて、文章の意味も分からない。そこで解説を読んで、「なるほど、そういう意味だったのか」と理解します。しかし、次の日にもう一度解いてみると、やはり読めない。これでは、難しい問題に取り組んだ時間が十分に学力として蓄積されていきません。

数学でも同じです。基本的な公式や典型的な解法が身についていない状態で難問に挑戦しても、「解説を読めば分かる」という状態から抜け出せないことがあります。

受験勉強では、基礎 → 標準 → 応用という段階を意識することが大切です。

もちろん、時期や志望校によって具体的な進め方は変わります。しかし、基本事項が不十分な状態で、いきなり入試最難関レベルの問題ばかり解く必要はありません。むしろ、「今の自分はどこまでできているのか」を正確に把握することが重要です。

難しい問題を解いていると、「自分は受験勉強を頑張っている」という感覚を得やすくなります。しかし、「難しい問題に取り組んでいること」と「学力が伸びていること」は別です。自分の現在地から一段ずつ上がっていくことです。

⑤ 受験校の受験方式を理解していない

最後に、意外と見落とされているのが、「自分が受ける大学の入試方式を正しく理解していない」ということです。

大学受験では、「○○大学に行きたい」という目標だけでは不十分です。

実際には、「○○大学の○○学部を、どの入試方式で受験するのか」まで考える必要があります。

同じ大学・同じ学部でも、入試方式によって必要な科目や配点、出題内容が異なる場合があります。

例えば、「英語の配点が高い」「数学が必須になっている」「共通テストの点数を利用する」「英語外部検定を利用できる」など、受験方式によって対策は変わってきます。

ところが、「とりあえず英語と数学を勉強しておけばいい」「この大学を受けるから、この大学の過去問をやろう」というだけで勉強を始めてしまう生徒もいます。

これでは、せっかくの努力が十分に結果につながらない可能性があります。大学受験では、

大学を調べる→入試方式を確認する→必要な科目・能力を確認する→そこから勉強計画を立てる

という順番が大切です。

特に高校3年生になってから慌てないためにも、早い段階から志望校の入試情報を確認しておきましょう。

どの科目が必要なのか、科目配点はどうなっているのか、共通テストは必要なのか、英検は利用できるのか、総合型入試ではどんな力が必要かなどの情報を確認する必要があります。

大学受験は、単に勉強ができれば合格するというものではありません。自分が受ける試験を理解し、その試験で必要とされる力を身につけることが重要です。

大学に合格する生徒は何をしているのか?

それでは大学に合格する生徒はどのような勉強をしているのでしょうか。共通しているのは、自分の現在地とゴールを理解していることです。

まず、「今、自分は何ができるのか」「何ができていないのか」を把握します。

その上で、「志望校に合格するためには、何が必要なのか」を考えます。

そして、現在地とゴールの差を埋めるための勉強をする。

これが受験勉強の基本です。

例えば、志望校に合格するために英語長文を読めるようになる必要があるのであれば、

英語が苦手だから、とりあえず英語を勉強するではなく、単語が不足しているから単語を重点的に進めるとか、英文の構造を取ることが苦手なので解釈を基礎から行うなど具体的な課題を見つけます。そして、その課題に対して必要な勉強を行います。

英語を勉強するではなく、英語の何を伸ばすために、何をするのかまで具体化することが重要です。

これは数学でも国語でも理科でも社会でも同じです。


「頑張っているのに成績が伸びない」ときこそ、勉強方法を見直そう

大学受験で怖いのは、勉強していないことだけではありません。

むしろ、

「一生懸命勉強しているのに、方向が間違っている」

という状態のほうが、気づくまでに時間がかかります。

毎日3時間勉強している。

参考書もたくさん持っている。

難しい問題にも挑戦している。

それでも成績が伸びない。

このような場合、

「もっと勉強しなければ」

と考える前に、

「今やっている勉強は、本当に合格につながっているのか?」

と一度立ち止まって考えてみてください。

勉強時間を増やすことが必要な場合もあります。

しかし、それ以上に重要なのが、勉強の方向性を修正することかもしれません。

大学受験は長い戦いです。

だからこそ、早い段階で自分の勉強方法を確認し、必要であれば修正することが大切です。現状を正しく把握した上で、目的を意識した勉強を進めていきましょう。

まとめ

大学受験で大切なのは、単純な勉強時間だけではありません。

今回紹介したように、

  • 国公立を目指しているのに特定科目ばかり勉強している
  • 有名な参考書を揃えれば合格できると思っている
  • 目的と手段が合っていない
  • 基礎力がないのに難しい問題に取り組んでいる
  • 受験校の受験方式を理解していない

という状態では、努力していても、その努力が合格につながりにくくなってしまいます。

現在の自分の学力を把握し、志望校から逆算して、必要な勉強を必要な順番で行う。これが大学受験の基本です。

もし今、毎日勉強しているのに成績が上がらないとか何を勉強すればいいのか分からないという状態であれば、一度自分の勉強方法を客観的に見直してみてください。

受験勉強は、ただ努力することではありません。合格というゴールに向かって、正しい方向に努力を積み重ねることが重要です。何をすればいいかわからない人は身近な人でも良いので相談して進めていくようにしましょう。

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