塾を運営していると保護者の方の悩みを聞く機会も多いです。学習塾である以上、お子様の勉強のお悩みを伺うのですが、保護者の方としてもどうアドバイスしていいかわからない方が多いようです。
お子様が勉強に悩んでいるけれど、アドバイスをしようとすると「お母さんの時代とは違うから」と拒まれてしまう…。そんな状況に悩んでいる保護者の方も多いのではないでしょうか?
特に中学生や高校生の時期は、自分の考えや方法を大切にしたい時期でもありますよね。今回は、そんな時に親としてどのように接すればよいか、効果的な声掛け方法をお伝えします。
親からもアドバイスをしたいけど・・・
お子様が中学生や高校生の思春期に入ると、親への反発心なども増えてきますね。また、どんどん自分の意見を持つようになり、親のアドバイスが通じにくくなることがあります。『昔はこうだった』と言われても、今の時代に合った方法を自分で見つけたいという気持ちは、自然なことです。しかし、その子どもの反発にどう対応してよいか、悩む保護者の方が多いのも事実です。
それではどんな声掛けをしてあげると良いのでしょうか。以下に効果的な声掛け方法をまとめてみたいと思います。
- 共感を示し、無理にアドバイスしない
- アドバイスを求める形で声掛けをする
- 自分の経験を交えて話す
- 一緒に勉強方法を見直してみる
- お子様の自主性を尊重する
- 第三者の意見を活用する
共感を示し、無理にアドバイスしない
お子様が親のアドバイスを「昔とは違うから」と感じるのは、現代の勉強方法や生活スタイル、受験方式などが親の時代とは大きく異なるからです。そのため、昔の話をされても中々心を開こうとしません。もちろん今の勉強方法や受験方式を理解することも大事ですが、全部を理解するのは難しいです。そこで親ができることは「今はこうだよね」と共感を示すことです。お子様は自分の考えが理解されていると感じ、心を開きやすくなります。アドバイスするというとどうしても上から目線が生まれてしまうので、ただ相手の話を聞く、共感を示す形にした方がスムーズにいきます。
共感の言葉をかける
共感の言葉として具体例は以下のような言葉が挙げられます。

今、勉強方法が変わってきてるから、そのやり方が正しいかもしれないよね。でも、ちょっとだけアドバイスしてもいいかな?
このように、相手の考えを尊重しつつ、自分の意見を軽く伝える形が良いです。
自分の経験を踏まえて言う



私も高校生の頃は、今のようにインターネットを活用した勉強はしていなかったけど、今はそういった方法が便利だよね。
大事なのは、以前の方法と今の方法を比較し、時代の違いを理解していることを示すことです。こうすることで親としての立場が軽くなり、お子様も聞きやすくなります。
アドバイスを求める形で声掛けをする
一方的にアドバイスを押し付けるのではなく、お子様自身にどのように勉強しているのかを尋ね、アドバイスを求める形にしましょう。こうすることで対等な立場でコミュニケーションが取れるようになります。この方法で、お子様に自分の考えを聞いてもらいやすくする効果があります。
一緒に考える提案



もしうまくいっていないことがあれば、一緒にどうしたら良いか考えてみようか?
このように一緒に考える姿勢を見せましょう。これにより、お子様は親のアドバイスを強制的なものではなく協力的だと考え、受け入れやすくなります。
お子様の勉強方法を尋ねる



最近、どんな方法で勉強してる?何か工夫してる点があれば教えてくれるかな?
この質問は子どもに勉強方法を説明させるものです。こうすることで、お子様は自分のやり方に自信を持ちやすく、アドバイスを受け入れやすくなります。また、お子様自身も自分の勉強方法を言葉にするので、今自分がやっていることを考えるきっかけにもつながります。
自分の経験を交えて話す
親の経験を踏まえて話すことで、お子様が「親も同じように悩んだ時期があったんだ」と感じ、親のアドバイスをより信頼しやすくなります。自分の失敗談を共有することで、アドバイスが説得力を持ちます。この時に「自分がこんなにすごかったんだ」という優越感を得るような言葉ではなく、失敗談など子どもに寄り添える言葉がいいですね。
自分の経験を率直に伝える



私も高校生の頃、英語の勉強にすごく苦労したんだ。でも、この方法を試してみたら少しずつ分かるようになったんだよ。
自分の経験を素直に伝えることで、親が完璧でないことを示し、お子様も共感しやすくなります。
失敗した経験を話す



最初は何度も失敗したけれど、それを繰り返すことで学べたから、焦らずに進んでいけば大丈夫だよ。
親も失敗を通じて学んだことを伝えることで、お子様が「失敗しても大丈夫」と感じられるようになります。
一緒に勉強方法を見直してみる
お子様がうまくいっていない勉強方法を改善するために、一緒に試行錯誤してみることも効果的です。共に考える姿勢を見せることで、サポートされているという感覚を持ってもらえます。
勉強方法の改善案を出す



もしかしたら、今の勉強方法が合っていないかもしれないね。例えば、1時間集中して勉強して、その後10分間休憩を入れる方法もあるよ。
勉強方法を改善するための具体的な提案をすることで、お子様も試しやすくなります。押し付けにならないように、こんなやり方もあるよという提案が大事ですね。
実際に一緒にやってみる



「一緒に問題集をやってみようか?もし分からないことがあれば、教えるから。」
一緒に取り組むことで、お子様が親と一緒に解決策を見つけることができ、より効果的な方法を見つけやすくなります。
お子様の自主性を尊重する
お子様が自分のやり方を大切にしたい気持ちを尊重しつつ、勉強に対する自由度を持たせることも大切です。あくまでサポートの立場でいることで、お子様が親のアドバイスを受け入れやすくなります。
自分で考えさせる



勉強の方法を自分で決めるのも大事だよね。もし何か困ったことがあったら、いつでも相談してね。
お子様の考えを尊重しつつ、サポートが必要な時には気軽に頼んでもらえるようにします。
挑戦する気持ちを尊重する



試してみたい方法があれば、何でも試してみて。うまくいかないことがあったら、また一緒に考えよう。
自分の方法で挑戦することを促し、失敗を恐れずに試行錯誤を支援することで、お子様の自立心が育まれます。
第三者の意見を活用する
親の意見だけでなく、信頼できる第三者(先生や塾の講師など)の意見を活用することで、お子様が「親の言うことだけではない」と感じ、納得しやすくなります。信頼できる第三者からのアドバイスが有効です。
他の人の意見を紹介する



この前、先生がこんな方法を提案していたんだよ。その方法を試したらどう?」
自分の意見ではなく第三者の意見を借りることで、お子様が受け入れやすくなることがあります。特に学校や塾の先生などの言葉として伝えるとスムーズにいくことがあります。
他の人の成功事例を伝える



この前、先生がこんな方法を提案していたんだよ。君もその方法を試してみる?」
他の人の成功体験を伝えることで、具体的な方法を試してみたくなることもあります。自分でなく別の子の成功体験も交えてみましょう。
あえてアドバイスをしないのもあり
ここまで親からお子様へのアドバイスという点で見ていきましたが、あえて学習面でのアドバイスをしないというのも有効です。特に高校生になると、学習内容の難易度が高くなり、アドバイスとして何を言えばいいのか難しくなります。加えて思春期には親からの過度な干渉を避けたがる時期も出てきます。
親があまりに積極的にアドバイスをすると、反発も招きやすいです。親からの指示やアドバイスが減ることで、子どもは自分のペースで勉強に取り組みやすくなり、親子間のストレスも減少します。ただ、サポートする姿勢は大事です。勉強面以外のコミュニケーションを普段からとっておき、勉強面でアドバイスが求められた時にだけ手を差し伸べることで、子どもはそのサポートの大切さを感じやすくなります。お子様の結果に対して冷静に見守る姿勢も必要ですね。
まとめ
お子様が勉強に悩んでいるとき、アドバイスが届かないこともあります。そんな時には無理に押し付けるのではなく、共感しながらサポートすることが大切です。お子様の気持ちに寄り添い、一緒に成長できるような関係を築いていきましょう。自分の方法を試してみたいという気持ちを大切にしつつ、適切なサポートを続けることが成果に繋がります。共感してあげる、あくまでサポート役に徹することを意識しておきましょう。
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